オウンドメディアの外注は丸投げしない!任せる範囲の決め方と料金の実例3社

本業と兼任でオウンドメディアを担当していると、記事の企画や執筆が後回しになり、公開の予定がずれ込みがちです。外注先を探し始めても、候補の種類が多く、料金も月額や1本単位など会社ごとに示し方が違います。任せる範囲を決めないまま見積もりを取ると、金額に含まれる作業が外注先ごとに違ってしまい、正しく比べられません。

この記事では、外注で任せられる業務と範囲の決め方から依頼の流れまでを、料金の実例とあわせて解説します。記事を読めば、自社に合う外注先を同じ条件で比べて選べるようになります。

外注で費用や記事の品質が想定とずれるのを防ぐ近道は、自社に残す業務と任せる業務を先に分けてから、範囲に合う外注先を選ぶことです。任せる範囲を広げる場合でも、目的の決定と記事の内容の確認を自社に残せば、記事が事業の方針からずれにくくなります。

目次
  1. オウンドメディアの外注で任せられる業務
    1. メディアの立ち上げ(戦略立案・サイト設計・構築)
    2. 記事の企画と制作
    3. 公開後の分析と改善
  2. オウンドメディアの外注は社内の体制に合わせて範囲を決める
  3. オウンドメディアの外注先の種類と料金の実例
    1. オウンドメディアの構築・運用代行会社
    2. 記事制作会社
    3. SEOコンサルティング会社
    4. フリーランスのライター・編集者
  4. オウンドメディアの外注先を選ぶポイント
    1. 自社と近いジャンルの実績で判断する
    2. 料金に含まれる作業をそろえて比べる
    3. 記事の品質を管理する体制を聞く
    4. 少ない本数で試してから本格的に依頼する
  5. オウンドメディアを外注するときの依頼の流れ
    1. 任せる範囲と目的を社内で決める
    2. 複数の外注先に見積もりと提案を依頼する
    3. 契約の内容を確認して発注する
    4. 納品された記事を見直して改善を依頼する
  6. オウンドメディアの外注で失敗しないための注意点
    1. 成果が出るまでの期間を見込んで契約期間を決める
    2. 社内にノウハウが残る形で外注する
    3. フリーランスに依頼するときは取引条件を書面やメールで明示する
    4. 従業員や複数の役員がいる企業はフリーランスへの支払期日や禁止行為も守る
  7. オウンドメディアの外注は任せる範囲を決めてから外注先を選びましょう

オウンドメディアの外注で任せられる業務

オウンドメディアの外注で任せられる3つの業務。メディアの立ち上げは戦略立案・サイト設計・構築、記事の企画と制作はキーワードの選定から入稿まで、公開後の分析と改善は計測・リライト・改善の提案

オウンドメディアの業務はメディアの立ち上げから記事の制作、公開後の改善まで幅広く、どの段階の業務も外注できます。外注で任せられる業務は、大きく次の3つに分かれます。

  • メディアの立ち上げ(戦略立案・サイト設計・構築)
  • 記事の企画と制作
  • 公開後の分析と改善

メディアの立ち上げ(戦略立案・サイト設計・構築)

メディアの立ち上げでは、戦略立案とサイト設計、サイトの構築を外注できます。3つの業務で外注先が行う作業の例は、以下の表のとおりです。

業務 外注先が行う作業の例
戦略立案 メディアの目的に沿った読者像と成果指標(KPI)の案づくり、競合するメディアの調査
サイト設計 狙うキーワードの選定、カテゴリと記事の構成の設計
サイトの構築 WordPressなどのCMS(記事を管理するシステム)の導入、デザインの制作、公開の準備

メディアの目的は自社で決め、外注先には目的に沿った読者像や成果指標の案を出してもらいましょう。すでに自社サイトに記事を載せるページがある場合は、サイトの構築を頼まずに戦略立案とサイト設計から依頼する方法もあります。

戦略立案とサイト設計は、記事の企画や公開後の改善の土台になります。SEO(検索エンジン最適化)に詳しい人が社内にいない企業は、新しいサイトの開設を計画している段階からSEOの専門家に依頼するのが理想です。最初から検索エンジンとの相性を考えてサイトを設計できるからです。

» オウンドメディアの立ち上げはサイトより先に目的と体制を決める|9つの手順

記事の企画と制作

記事の企画と制作は、工程ごとに外注するかどうかを選べます。1本の記事ができるまでの工程は、次の6つです。

  1. キーワードの選定
  2. 構成案(見出しと内容の設計図)の作成
  3. 本文の執筆
  4. 原稿の編集と事実確認
  5. 画像の制作
  6. CMSへの入稿

キーワードと構成案を自社で用意して執筆から先を頼む形もあれば、キーワードの選定から入稿までをまとめて頼む形もあります。自社で受け持つ工程が多いほど外注の費用は抑えられますが、社内の作業時間は増えます。取材記事やインタビュー記事を頼みたい場合は、取材先との日程調整や当日の取材まで外注先が対応できるかも確認しましょう。

» SEO記事の書き方は検索意図が起点|キーワード選定からリライトまでの6手順

» インタビュー記事の書き方7つの手順|聞いた順ではなく読者が知りたい順に書く

公開後の分析と改善

記事を公開したあとの効果測定と改善も、外注できる業務の1つです。公開後の運用で外注先に任せられる主な作業は、次の4つです。

  • 検索順位とアクセス数の計測
  • 問い合わせや資料請求の件数の計測
  • 成果の出ていない記事のリライト(書き直し)
  • 次に作る記事やサイトの改善の提案

分析と改善の提案だけを受け持ち、提案した施策の実行や記事の制作を別料金で見積もる外注先もあります。公開後の運用を頼むときは、提案の実行を自社と外注先のどちらが担うのかまで契約前に決めておきましょう。

オウンドメディアの外注は社内の体制に合わせて範囲を決める

オウンドメディアの外注の範囲を社内の体制に合わせて決める3つの形。すべてを任せる形はSEOに詳しい人がいない企業、立ち上げだけを任せる形はサイト設計や構築の知識がない企業、運用の一部だけを任せる形は記事を書く人手が足りない企業に向く

外注する範囲に唯一の正解はなく、社内の人手と知識によって合う形が変わります。外注の形は、任せる範囲の広さで分けると次の3つです。

  • 戦略立案から運用まですべてを任せる
  • 立ち上げだけを任せる
  • 記事制作など運用の一部だけを任せる

すべてを任せる形は、オウンドメディアの担当者が少なく、SEOに詳しい人も社内にいない企業に向いています。任せる業務が多いため、外注の費用は高くなりがちです。

立ち上げだけを任せる形は、記事を書ける社員がいてもサイト設計やサイトの構築の知識がない企業に合います。メディアの土台を外注先と固めたあとは、記事の制作と公開を社内で続けることになります。

記事制作など運用の一部だけを任せる形は、方針を社内で決められても記事を書く人手が足りない企業向けです。外注の範囲が狭いぶん費用を抑えやすく、1本単位で依頼できる外注先もあります。

Web集客ブックを運営する株式会社メリルでは、どの形を選ぶ場合も、外注先に任せきりにする「丸投げ」ではうまくいかないと考えています。依頼する企業は自社の商品と顧客を最もよく理解しており、外注先にすべてのジャンルの専門家がいるわけでもないためです。

メリルのYouTubeチャンネル『ウェブ職TV』では、法人のオウンドメディアを成功させる目的の決め方や人手の確保、外部への任せ方を動画で解説しています。

記事の制作を任せても、内容や情報が正しいかの確認は自社で行い、外注先とやり取りする専任の担当者を社内に置きましょう。

オウンドメディアの外注先の種類と料金の実例

オウンドメディアの外注先の料金を比べるときに見たい4つの点。料金に含まれる作業、別料金の作業、契約期間、税込の総額

オウンドメディアの外注先は、任せられる業務の範囲によって種類が分かれます。外注先の主な種類は、以下の4つです。

  • オウンドメディアの構築・運用代行会社
  • 記事制作会社
  • SEOコンサルティング会社
  • フリーランスのライター・編集者

料金を公開している外注先の実例(2026年10月時点)は、以下の表のとおりです。

外注先 種類 料金の例 料金に含まれる作業 別料金の作業 契約期間
Hands+(Web集客ブックを運営する株式会社メリル) オウンドメディアの構築・運用代行 記事制作33,000円〜、サイト設計200,000円〜、サイト構築100,000円〜 構成案の作成、WordPressへの入稿、記事の装飾、フリー画像の挿入、内部最適化(いずれも記事制作) オリジナル画像・アイキャッチ画像の制作、薬機法のチェック、専門家の監修 公式ページに記載なし
c-blog(株式会社Cone) 記事制作(企業向け・BtoBのSEO記事) ブログプラン1本100,000円、メディアプラン月額200,000円(記事作成30本。月あたりの本数かは公式ページに記載なし) キーワードの選定、構成案の作成、図解などの記事内の画像の作成、アイキャッチ画像の作成、入稿 記事のリライト(c-blogが書いた記事は1本50,000円、自社で書いた記事は1本100,000円) ブログプランはなし(1本から依頼できる)、メディアプランは12か月
オウンドメディアコンサルティング(株式会社ニュートラルワークス) コンサルティング(運営中のメディアの改善) 月額300,000円〜(税抜) 調査、戦略策定(成果指標の設定)、キーワード選定、改善の提案、毎月1回の定例会 提案した施策の実装、記事制作、記事制作の体制づくりと教育 最低契約期間なし(6か月以上の契約を推奨)

フリーランスは書き手ごとに料金が決まるため、表には入れていません。料金の表示には税抜と明記するものと税の扱いを書いていないものがあるため、税込の総額は見積もりの段階で確かめましょう。

Web集客ブックを運営する株式会社メリルの代表(なかじ)は、依頼する企業のメディアにも自社のメディアを運営してきたライター・デザイナー・ディレクターの体制を生かせることが、Hands+を始めた理由の1つだと話しています。メリルでは、制作や運用の代行は依頼した企業のメディアづくりを手伝う仕事で、メディアの運営者はあくまで依頼した企業だと考えています。

オウンドメディアの構築・運用代行会社

構築・運用代行会社には、戦略立案から公開後の改善までのオウンドメディアの業務を一括で任せられます。社内の担当者が少ない企業や、立ち上げから運用まで任せたい企業に向いており、既存のメディアの改善や記事制作だけといった一部の依頼を受ける会社もあります。

サイトの構築だけを頼みたい場合は、Web制作会社も外注先の候補です。任せる範囲が広いほど見積もりの項目も増えるため、業務ごとの内訳を出してもらうと比べやすくなります。

記事制作会社

記事制作会社(記事作成代行会社とも呼ぶ)には、構成案の作成や本文の執筆を任せられます。社内で方針を決めたうえで、記事の本数を増やしたい企業に合います。キーワードの選定から入稿まで受ける会社もあれば、執筆だけを受ける会社もあるため、依頼できる工程を最初に確認しましょう。

医療や金融のように専門知識が求められるジャンルでは、専門家の監修を付けられるかどうかも外注先を選ぶ材料になります。

SEOコンサルティング会社

SEOコンサルティング会社は、検索からの集客を増やすための戦略づくりと改善の提案を受け持ちます。主な支援の内容は、サイトの調査とキーワードの選定、改善策の提案と定例の打ち合わせでの効果の確認です。提案した施策の実行や記事の制作は別料金か社内の担当になることがあり、手を動かせる社員がいる企業に適しています。

メリルでは、SEOコンサルティングは施策を提案して終わりではなく、どう実行して成果につなげるかまで描く仕事だと考えています。社内で施策を実行する人を確保できない場合は、実行まで任せられるかを相談の段階で確かめましょう。

フリーランスのライター・編集者

フリーランスのライターや編集者には、直接依頼する方法と、クラウドソーシングのサービスを通じて依頼する方法があります。得意分野が自社のテーマに合う書き手が見つかれば、専門性の高い記事を頼むことも可能です。

フリーランスに頼んだ記事の品質は書き手の力量に左右されやすく、企画や構成の指示と原稿の確認を発注する側が担う場面が増えます。

オウンドメディアの外注先を選ぶポイント

オウンドメディアの外注先を選ぶ4つのポイント。自社と近いジャンルの実績、作業をそろえて料金を比べる、品質を管理する体制を聞く、少ない本数で試してから依頼

外注先を料金だけで選ぶと、必要な作業が範囲に入っていなかったり、記事の品質が想定と違ったりすることがあります。外注先を選ぶときに押さえたいポイントは、以下の4つです。

  • 自社と近いジャンルの実績で判断する
  • 料金に含まれる作業をそろえて比べる
  • 記事の品質を管理する体制を聞く
  • 少ない本数で試してから本格的に依頼する

自社と近いジャンルの実績で判断する

外注先の実績は、自社と同じ業界や同じ読者層に向けたメディアでの例を見て判断しましょう。業界によって専門用語や読者が検索する言葉が違い、ほかのジャンルの実績だけでは自社の記事の仕上がりを予想しにくいからです。商談で確かめたい実績の中身は、次の4つです。

  • 担当したメディアの業界と読者層
  • 制作した記事の実例
  • 検索順位や問い合わせ数などの成果
  • 運用を続けている期間

守秘義務で事例を公開していない外注先もあり、公開されていない実績は商談の場で尋ねると判断の材料が増えます。

Googleの検索結果で1位に表示されることは、誰にも保証できません。掲載順位の保証や、Googleとの「特別な関係」をうたう外注先には注意しましょう。

料金に含まれる作業をそろえて比べる

見積もりの金額は、料金に含まれる作業をそろえてから比べましょう。同じ記事制作の料金でも、画像の制作や入稿が含まれるかは外注先ごとに違い、金額だけを並べても正しく比べられません。料金に含まれるかを見積もりの段階で確かめたい作業には、次のものがあります。

  • キーワードの選定と構成案の作成
  • 画像の制作
  • WordPressなどへの入稿
  • 納品後の修正
  • 公開後の効果測定とレポート

作業の範囲と料金は、口頭ではなく見積書や契約書の書面で示してもらうと安心です。

記事の品質を管理する体制を聞く

記事の品質は、誰が書いて誰が確認してから納品されるのかを外注先に聞くと見極められます。確認の工程がない体制では、記事の品質が書き手の力量だけで決まり、記事ごとの差が大きくなります。品質の管理について外注先に確かめたい項目は、主に次の5つです。

  • 編集者やディレクターによる原稿の確認
  • 数字や固有名詞の事実確認
  • 表記や文体のルールの統一
  • 専門家による監修の有無
  • 生成AIを使う工程と、AIが書いた部分の確認の方法

納品前の確認がどこまで料金に含まれるかを聞いておくと、公開前に社内で確認する作業の量も見積もれます。事実の誤りがある記事を公開すると自社の信用に関わるため、事実確認の体制は念入りに確かめてください。

» AI記事作成は丸投げしない!構成と判断は人、下書きと点検はAIに任せる6手順

少ない本数で試してから本格的に依頼する

外注先との相性は、最初から大量に発注せず、数本の記事で品質とやり取りを確かめてから見極めましょう。実際の原稿の質や修正への対応の速さは、打ち合わせや提案書だけでは分かりません。外注先によっては、1本から依頼できるプランや、1記事を無料で制作するトライアルを用意しています。

試しに依頼した記事で確かめたい点は、次の4つです。

  • 依頼した方針どおりに書かれているか
  • 事実の誤りや表記の揺れがないか
  • 修正の依頼に早く正確に応じるか
  • 連絡を取りやすいか

試した結果に納得してから月の本数を増やすと、外注の失敗を小さく抑えられます。

» ブログ記事の外注は4つの手順で進める|テスト記事と依頼文で失敗を防ぐ

オウンドメディアを外注するときの依頼の流れ

オウンドメディアの外注を依頼するときの4つの段階。範囲と目的を社内で決めて提案依頼書にまとめる、見積もりと提案を複数の外注先に同じ条件で依頼する、契約の内容を確認し著作権と秘密保持も確かめて発注する、納品された記事を見直して執筆のルールとして共有する

オウンドメディアの外注を依頼するときの流れは、社内の準備から始まる次の4つの段階に分かれます。

  1. 任せる範囲と目的を社内で決める
  2. 複数の外注先に見積もりと提案を依頼する
  3. 契約の内容を確認して発注する
  4. 納品された記事を見直して改善を依頼する

任せる範囲と目的を社内で決める

外注先に連絡する前に、メディアの目的や任せる範囲などの依頼の条件を社内で決めて文書にまとめましょう。依頼の条件が決まっていないと、外注先ごとに前提の違う提案が届き、比べられなくなるためです。文書にまとめておきたい項目は、次のとおりです。

  • メディアの目的と成果指標の目安
  • 想定する読者
  • 外注する業務の範囲
  • 月に公開したい記事の本数
  • 予算と契約期間の目安

メリルでは、メディアの目的によって書く記事とメディアの作り方が決まると考えています。商品の販売につなげる、問い合わせを増やすなど、目的は自社の事業に合わせて決めてかまいません。

依頼の条件をまとめた文書を提案依頼書(RFP)と呼び、複数の外注先に同じ提案依頼書を渡すと見積もりの前提をそろえられます。戦略立案から任せる場合は、成果指標と想定する読者は目安を書いておき、具体的な案づくりを外注先に頼む業務として依頼の範囲に含めましょう。執筆のルールや避けたい表現が決まっている場合は、あわせて渡すと記事の仕上がりのずれを防げます。

複数の外注先に見積もりと提案を依頼する

提案依頼書を複数の外注先に渡し、見積もりと提案を同じ条件で比べましょう。1社だけの見積もりでは、金額や提案の内容が自社にとって妥当かどうかを判断できません。見積もりと提案を比べるときに見たい点は、次の4つです。

  • 作業の範囲と料金の内訳
  • 担当者と制作の体制
  • 納品までのスケジュール
  • 成果指標の考え方と報告の方法

商談では、外注先の担当者が自社の事業や顧客についてどこまで質問するかも見ておきましょう。事業の独自性や競合する会社、顧客が自社を見つける経路を質問されるかどうかで、外注先が自社の事業にどれだけ関心を持っているかが分かります。

メリルでは、SEOコンサルティングの最初の打ち合わせで課題と会社の目標を確かめ、関係のなさそうな事業の内容まで聞いてきました。目標が分からないと施策の優先順位を決められず、相手の話だけでは困っている点が見えないこともあるためです。

メリルのYouTubeチャンネル『ウェブ職TV』では、SEOコンサルティングの打ち合わせで聞くことや、提案を実行に移すまでの考え方を動画で解説しています。

提案の内容だけでなく、提案に至るまでの質問の深さも比べると、自社の事業に合う外注先を選びやすくなります。

契約の内容を確認して発注する

発注の前に、作業の範囲や料金、納期などの取り決めを契約書や発注書で確認しましょう。契約書や発注書で確かめたい項目は、次の7つです。

  • 作業の範囲と納品物
  • 料金と支払いの時期
  • 納期と月の本数
  • 契約期間と途中で解約するときの条件
  • 修正の回数と追加料金の有無
  • 記事や画像の著作権の扱い
  • 秘密保持の取り決め

納品後の記事は書き直したり別の媒体に転用したりすることがあるため、成果物の著作権を自社が譲り受ける取り決めを契約書に入れておくと安心です。著作権を譲り受けずに、書き直しや転用の範囲を決めて利用の許諾(著作権法第63条)を受ける方法もあります。

著作権を譲り受ける契約でも、著作権法第27条・第28条の権利(記事を作り変える権利と作り変えた記事を使う権利)は譲渡の対象として書いておく必要があります。書いていないと、2つの権利は書き手の側に残ると第61条第2項で推定されるためです。

著作権法第59条により、記事を意に反して改変されない権利などを含む著作者人格権は、書き手から譲り受けられません。契約書には「著作権(著作権法第27条及び第28条の権利を含む)を譲渡する」と書き、書き手が著作者人格権を行使しない取り決めもあわせて入れておきましょう。

社内の資料や顧客の情報を外注先に渡す場合は、先に秘密保持契約(NDA)を結んでから共有すると安心です。

納品された記事を見直して改善を依頼する

納品された記事は、公開する前に社内の担当者が内容を確認しましょう。商品やサービスの情報と業界の事情には、外注先より社内のほうが詳しいためです。社内で確かめたい点は、次の4つです。

  • 数字や固有名詞の誤り
  • 自社の商品やサービスの説明
  • 競合する他社への言及
  • 社内の表記ルールとの違い

直してほしい点は具体的に伝え、次の記事にも反映できるよう執筆のルールとしてまとめて外注先と共有しましょう。指摘をルールとして積み上げると、回を重ねるごとに修正の手間が減ります。

オウンドメディアの外注で失敗しないための注意点

オウンドメディアの外注で失敗しないための4つの注意点。契約期間は成果が出るまでの期間を見込む、ノウハウが社内に残る形で外注する、フリーランスへの依頼は取引条件を書面やメールで明示する、従業員や複数の役員がいる企業は支払期日や禁止行為も守る

オウンドメディアの外注では、契約で決める条件と契約後の進め方しだいで、成果や費用に差が出ます。外注で押さえておきたい注意点は、以下の4つです。

  • 成果が出るまでの期間を見込んで契約期間を決める
  • 社内にノウハウが残る形で外注する
  • フリーランスに依頼するときは取引条件を書面やメールで明示する
  • 従業員や複数の役員がいる企業はフリーランスへの支払期日や禁止行為も守る

成果が出るまでの期間を見込んで契約期間を決める

オウンドメディアの外注では、記事の公開から成果が出るまでに時間がかかる前提で契約期間を決めましょう。メリルでは、SEOは広告のようにすぐに結果が出るものではなく、長い目で見て進めるものと考えています。短い期間で契約を打ち切ると、成果を判断できないまま費用だけを払う結果になりかねません。契約の前に確かめたい条件は、次の3つです。

  • 最低契約期間
  • 途中で解約するときの条件
  • 成果を判断する時期と指標

契約期間の条件は外注先によって違い、12か月の契約期間を条件にするプランもあれば、最低契約期間を設けずに6か月以上の契約を勧めるサービスもあります。成果を検索順位やアクセス数、問い合わせ数など契約前に決めた指標で判断すると、外注先との評価の食い違いを防げます。

社内にノウハウが残る形で外注する

外注に頼りきりにならないよう、キーワードの選定理由や執筆のルールなどを資料として受け取り、社内に残しましょう。

メリルでは、施策を社内で行う内製は人の確保と教育の負担が大きいものの、長い目で見ればノウハウと経験が社内にたまる利点があると考えています。外注だけに頼ると、契約が終わったときに社内に何も残らず、同じ作業を続けられなくなるという考えです。社内に残しておきたい資料の例は、次のとおりです。

  • キーワードの一覧と選定の理由
  • 記事の構成案
  • 表記や文体の執筆ルール
  • 効果測定のレポート

将来は社内で運用したい場合、記事制作の体制づくりや社員の教育を支援する外注先を選ぶ方法もあります。外注先との定例の打ち合わせに社内の担当者が毎回出るだけでも、施策を決めた理由を社内に蓄えられます。

サイトの構築から任せた場合は、ドメインとサーバーの契約名義や、CMSとGoogleアナリティクスなどの計測ツールの管理権限が自社にあるかも確認しましょう。

フリーランスに依頼するときは取引条件を書面やメールで明示する

フリーランスのライターや編集者に記事を依頼する企業は、2024年11月1日に施行されたフリーランス・事業者間取引適正化等法により、業務を委託したら直ちに取引条件を明示する義務を負います。法律でいうフリーランスは、従業員を使用しない個人と、代表者1人のほかに役員がなく従業員も使用しない法人です。

明示には、書面のほか電子メールやSNSのメッセージ、チャットツールも使えます。電話などの口頭で伝えるだけでは、取引条件を明示したことになりません。明示する主な取引条件は、以下のとおりです。

  • 業務の内容(業務の目的を超えて著作権を譲り受けるときは、譲り受ける範囲も)
  • 報酬の額と支払期日
  • 納品の期日と場所
  • 発注した企業とフリーランスの名称
  • 業務を委託した日

著作権を譲り受ける場合は、譲り受ける著作権の対価も含めた額を報酬として明示する必要があります。

公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省のパンフレット『ここからはじめる フリーランス・事業者間取引適正化等法』の6ページにある「明示しなければならない事項」。業務委託事業者と特定受託事業者の名称、業務委託をした日、給付の内容、給付を受領する期日と場所、検査を完了する期日、報酬の額と支払期日、金銭以外で支払う場合の支払方法の8つが並んでいる

出典:「ここからはじめる フリーランス・事業者間取引適正化等法」(公正取引委員会・中小企業庁・厚生労働省)(https://www.mhlw.go.jp/content/001329767.pdf)の6ページを加工して作成。加工(一部の切り取り)は株式会社メリルが行いました(2026年10月29日に取得)。

従業員や複数の役員がいる企業はフリーランスへの支払期日や禁止行為も守る

従業員を使用している企業や役員が2人以上いる企業がフリーランスに業務を委託する場合は、取引条件の明示に加えて次の義務と禁止行為があります。

  • 納品物を受け取った日から60日以内のできる限り短い期間で支払期日を決め、期日までに報酬を支払う
  • 1か月以上の業務委託では、フリーランスに責任がないのに報酬を減らしたり、費用を負担せずに記事を書き直させたりするなど、7つの行為をしない
  • 6か月以上の業務委託では、フリーランスの申出に応じて育児や介護などと業務を両立できるよう配慮する
  • 6か月以上の業務委託を途中で解除するときや更新しないときは、原則として30日前までに予告する
  • クラウドソーシングなどで書き手を募集するときは、募集の情報を正確で最新の内容に保つ
  • ハラスメントの相談に応じる体制を整える

同じ書き手に続けて記事を頼む場合は、契約の更新も含めて6か月以上の業務委託にあたるかを確認しましょう。

オウンドメディアの外注は任せる範囲を決めてから外注先を選びましょう

オウンドメディアの外注は任せる範囲を決めてから外注先を選ぶ。残す業務と任せる業務を分ける、同じ提案依頼書で比べる、契約書で確かめてから発注、少ない本数で試してから増やす、見直してルールを積み上げる

オウンドメディアの外注では、メディアの立ち上げから公開後の改善まで、どの段階の業務も任せられます。どこまで任せるかは社内の人手と知識で決まり、すべてを任せる形でも目的の決定と記事の内容の確認は自社に残すことが大切です。

外注で失敗しないための進め方は、次の5つの手順です。

  1. 自社に残す業務と任せる業務を分け、目的と範囲を提案依頼書にまとめる
  2. 任せる範囲に合った種類の外注先を選び、同じ提案依頼書で見積もりを比べる
  3. 作業の範囲・契約期間・著作権・秘密保持を契約書で確かめてから発注する
  4. 少ない本数で試してから本数を増やす
  5. 納品された記事を社内で見直してルールを積み上げる

範囲と条件をそろえてから外注先を比べれば、費用や記事の品質が想定とずれるのを抑えながらメディアを育てられます。まずは、社内でメディアの目的と任せたい業務を書き出し、提案依頼書の形にまとめてください。

参考にしたページ