オウンドメディアの立ち上げはサイトより先に目的と体制を決める|9つの手順

オウンドメディアの立ち上げを任され、サーバーの契約先やサイトのデザインを比べている最中に、社内から「いつ問い合わせが増えるのか」と聞かれます。サイトづくりから手を付けると、成果の測り方も記事を作り続ける人も決まらないまま公開を迎え、運営を続ける理由を説明できなくなります。

Web集客ブックを運営する株式会社メリルは、SEO・コンテンツ制作とオウンドメディアの支援を事業とし、ブログの情報メディア「アフィリノオト」も運営してきました。この記事では、オウンドメディアを立ち上げる9つの手順と、続けるための計画・費用・失敗しやすい原因を解説します。記事を読めば、目的決めから公開後の改善までの段取りを自社に当てはめて組めます。

立ち上げでは、サイトのデザインより先にメディアの目的と成果の測り方、記事を作り続ける体制を決めることが大切です。目的と体制が決まっていれば、公開した後も方針で迷いにくく、運営を続けやすくなります。

目次
  1. オウンドメディアの立ち上げを進める9つの手順
    1. メディアの目的とKGI・KPIを決める
    2. 運用体制と制作ルールを整える
    3. 読者のターゲットとペルソナを決める
    4. メディアのコンセプトを決める
    5. キーワードを選んでサイトの構成を設計する
    6. メディアの置き場所とドメインを決める
    7. サーバーとCMSを用意する
    8. 記事の制作計画を立てて公開する
    9. 公開後に効果を測定して記事を改善する
  2. オウンドメディアを続けるための計画とかかる費用
    1. 成果が出るまで続けられる計画と中間指標の決め方
    2. 立ち上げと運用にかかる費用の内訳
  3. オウンドメディアの立ち上げで失敗しやすい原因と対策
    1. 目的と評価のしかたを決めないまま始める
    2. 成果が出る前に更新が止まる
    3. 記事の本数を優先して内容が薄くなる
    4. 公開した記事を見直さずに放置する
  4. オウンドメディアを社内だけで運営するか外部に任せるかの判断
  5. オウンドメディアの立ち上げは目的と体制を決めてからサイトづくりに進めましょう

オウンドメディアの立ち上げを進める9つの手順

オウンドメディアの立ち上げの9つの手順。目的とKGI・KPIを決める、運用体制と制作ルールを整える、ターゲットとペルソナを決める、コンセプトを決める、キーワードでサイト構成を作る、置き場所とドメインを決める、サーバーとCMSを用意する、制作計画を立てて公開する、効果を測定し記事を改善する

オウンドメディアは企業が自社で持つ情報発信の場で、立ち上げは戦略を固める段階から始まり、サイトの用意と運用の開始へと進みます。オウンドメディアの立ち上げで進める手順は、以下の9つです。

  1. メディアの目的とKGI・KPIを決める
  2. 運用体制と制作ルールを整える
  3. 読者のターゲットとペルソナを決める
  4. メディアのコンセプトを決める
  5. キーワードを選んでサイトの構成を設計する
  6. メディアの置き場所とドメインを決める
  7. サーバーとCMSを用意する
  8. 記事の制作計画を立てて公開する
  9. 公開後に効果を測定して記事を改善する

メディアの目的とKGI・KPIを決める

最初に、オウンドメディアで達成したい目的を1つに絞って決めましょう。目的が複数あると、書く記事のテーマや読者を案内する先、成果の測り方がばらばらになるためです。オウンドメディアの主な目的は、以下のとおりです。

  • 見込み客からの問い合わせや資料請求の獲得
  • 商品・サービスの認知の拡大
  • 会社の考え方や強みを伝えるブランディング
  • 採用への応募の増加
  • 既存の顧客が抱える疑問の解消

Web集客ブックを運営する株式会社メリルでは、目的が問い合わせや販売なら、商品やサービスの説明と申し込みに絞ったページ(LP)に記事から案内する形がよいと考えています。すぐには問い合わせない読者には、資料(ホワイトペーパー)と引き換えにメールアドレスを登録してもらうと、後から案内を送れます。

目的が決まったら、最終的な成果を測る指標(KGI)と、途中の進み具合を測る指標(KPI)を数字で決めてください。問い合わせの獲得が目的なら、KGIは月ごとの問い合わせ件数です。KPIの候補は、公開した記事の本数や検索結果に表示された回数(インプレッション数)・検索結果からクリックされた回数(クリック数)、記事からLPに移動した回数です。

運営を続けるかどうかを判断する時期と基準がないと、成果が出る前に「効果がない」と見なされ、運営が打ち切られやすくなります。判断の時期と基準もKGI・KPIと一緒に決めておけば、社内で計画を説明できます。

運用体制と制作ルールを整える

記事を作り続けるために、サイトを用意する前に誰が何を担当するかと、記事づくりのルールを決めましょう。オウンドメディアの運用で必要になる主な役割は、以下のとおりです。

  • 編集責任者:メディアの方針と、記事を公開するかどうかを決める
  • 編集者:記事の企画と進行を管理し、原稿を確認する
  • 書き手:記事を執筆し、社内の専門部署から話を聞く
  • サイトの管理者:記事を作って管理する仕組み(CMS)の更新や、表示の不具合に対応する
  • 分析の担当者:数字を集めて改善案を出す

メリルでは、外部の会社に任せる場合も含めて、制作と運用を担う人を確保できないならメディアは始めない方がよいと考えています。メディアは何年も続けていくものなので、一時的に担当者を割り当てるのではなく、続けて記事を作れる体制を最初に整えることが前提です。

人数が少ない会社では、編集者と書き手のように1人が複数の役割を兼ねても構いません。ただし、原稿を確認する人を増やしすぎず、記事の公開を最終判断する人は1人に決めてください。確認する人が多いと、公開までに時間がかかるからです。

制作ルールに書く主な項目は、表記の統一・見出しの付け方・事実の確認方法・他社の文章や画像を使うときの扱いです。生成AIの出力には不正確な情報が含まれることがあるため、生成AIで下書きを作る場合は、公開前に人が事実を確認する手順もルールに入れておく必要があります。

» AI記事作成は丸投げしない!構成と判断は人、下書きと点検はAIに任せる6手順

読者のターゲットとペルソナを決める

オウンドメディアの記事を届けたい読者を決め、具体的な人物像(ペルソナ)に落とし込みましょう。読者像があいまいなままだと、記事ごとに前提とする知識や言葉づかいがばらつき、誰に向けた記事なのかが伝わりません。法人向けのメディアでペルソナを作るときに書き出す項目は、以下のとおりです。

  • 業種と会社の規模
  • 部署と役職
  • 抱えている業務上の課題
  • 情報を集めるときに使う手段
  • 社内で導入を決めるまでの流れ

個人向けのメディアなら、年代や暮らしの状況、悩みが生まれる場面を書き出してください。営業担当者が商談で受ける質問や、問い合わせ窓口に届く相談の記録をもとに作ると、社内の想像だけで作るよりも実在の読者に近い人物像になります。

メディアのコンセプトを決める

オウンドメディアが誰にどんな価値を届けるのかを、1文のコンセプトにまとめましょう。たとえば会計ソフトの会社なら「中小企業の経理担当者に、決算作業の進め方を実務の順番で伝えるメディア」のように書けます。コンセプトは、記事のテーマを選ぶときや書き手が迷ったときの判断の基準になります。コンセプトを決めるときに言葉にしておく項目は、以下のとおりです。

  • 扱うテーマと扱わないテーマ
  • 読者が記事から得られること
  • 自社だから書ける事例やデータ
  • 記事の文体と語り口
  • メディアの名前

扱うテーマを絞ると、サイトの主な目的がはっきりし、読者にも何の専門メディアなのかが伝わりやすくなります。会社の事業と関係の薄いテーマで記事を増やしても、問い合わせや採用といった目的につながる記事にはなりません。

キーワードを選んでサイトの構成を設計する

コンセプトに沿って、読者が検索で使う言葉(キーワード)を洗い出し、サイトのカテゴリと記事の一覧にまとめましょう。同じ悩みでもテーマに詳しい人とそうでない人では検索に使う言葉が違うことがあるため、ペルソナの知識の水準に合わせて言葉を拾うことが大切です。キーワードからサイトの構成を作る手順は、以下のとおりです。

  1. メディアのテーマに関わる言葉でGoogle検索し、検索窓に表示される候補(サジェストキーワード)を集める
  2. 集めたキーワードごとに検索する人の目的(検索意図)を考え、メディアのコンセプトに合うものを残す
  3. 残したキーワードが1か月に検索される回数の見積もりを、Google 広告のキーワード プランナーで調べる
  4. 検索する人の目的が同じキーワードを1つの記事にまとめる
  5. メディアの目的に近いキーワードから優先順位を付ける
  6. キーワードをテーマごとに分けて、サイトのカテゴリを決める

2026年10月時点では、キーワード プランナーでキーワードの候補を探すなどの基本機能を使うには、Google 広告で支払い情報を入力してアカウントの設定を済ませる必要があります。

サイトの構成を論理的に整理しておくと、検索エンジンと読者がページ同士の関係をつかみやすくなります。記事のURLには内容がわかる単語を入れ、単語の区切りにはアンダースコア(_)より境目がはっきりするハイフン(-)を使うのが基本です。

メリルでは、テーマごとに要点をまとめた記事(まとめ記事)と詳しく解説する記事(詳細記事)を作り、サイト内のリンク(内部リンク)でつなぐのがよいと考えています。どの記事からも内部リンクが張られていない記事が増えるほど、検索では不利になるとしています。

カテゴリを決めたら、カテゴリごとにまとめ記事と詳細記事の組み合わせを書き出してから、記事の一覧を作りましょう。

メディアの置き場所とドメインを決める

サイトを作る前に、オウンドメディアをどこに置き、どのドメイン(サイトの住所)で公開するかを決めましょう。メディアの置き場所の選択肢は、以下の3つです。

置き場所 URLの例 向いているケース
会社のサイトの中(サブディレクトリ) example.co.jp/media/ 会社のサイトと一体で管理したい
会社のドメインの前に名前を付ける(サブドメイン) media.example.co.jp 会社のサイトとはシステムを分けて運用したい
新しく取得するドメイン example-media.jp 会社名とは別のブランドとして育てたい

サブディレクトリとサブドメインのどちらを選ぶかは検索順位を左右する重要な要素ではなく、管理のしやすさなど事業の都合に合わせて選べます。メリルでは、会社のドメインを使う方が検索結果の上位に表示されやすいため、新しいドメインではなく会社のドメインの下にメディアを置くのがよいと考えています。

Google 検索セントラルの「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」にある「サブドメインかサブディレクトリか」の項目。ビジネスの観点からは、ビジネス上意味があればどちらでも構わないと書かれている

出典:「検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド」(Google 検索セントラル)(https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/seo-starter-guide?hl=ja)の一部を切り取って掲載(2026年10月30日の画面)。ページの文章はクリエイティブ・コモンズ 表示 4.0 ライセンス(https://creativecommons.org/licenses/by/4.0/deed.ja)で提供されています。Google は Google LLC の商標です。Web集客ブックは、Google が推奨・提携しているものではありません。

新しいドメインを取るとき、会社のサイトでco.jpを使っていると、2つ目のco.jpは取得できません。co.jpのような属性型JPドメイン名は、組織名の変更や合併などの場合を除き、1つの組織につき1つしか登録できないためです。メディア用には、日本に住所があれば数の制限なく登録できる汎用JPドメイン名(example.jpの形)などを検討してください。

ドメイン名にキーワードを入れても検索順位への効果はほとんどないため、ドメイン名は読者が覚えやすく事業に合った名前で決められます。

サーバーとCMSを用意する

記事を作って管理する仕組み(CMS)を選び、自社でCMSを動かす場合はサーバーも用意しましょう。CMSを使うと、HTMLの知識がなくても管理画面から記事を書いて公開できます。CMSの主な選択肢は、次の3つです。

  • 無料で使えるオープンソースのCMS
  • 提供会社がサーバーや更新まで管理するクラウド型のCMS
  • 会社のサイトですでに使っているCMS

オープンソースのCMSの代表例であるWordPressは本体を無料で使え、テーマでデザインを整え、プラグインで機能を追加できます。WordPressを自社で運用する場合は、サーバーとドメインを用意し、本体やプラグインの更新作業も引き受けることになります。

2026年10月時点のWordPressの推奨環境は、PHP 8.3以上と、データベースのMariaDB 10.11以上またはMySQL 8.0以上です。HTTPSへの対応は必須です。契約する前に、PHP・データベース・HTTPSの3点にサーバーが対応しているかを仕様の一覧で確認してください。

記事の制作計画を立てて公開する

どの記事をいつ誰が作るかを制作スケジュールにまとめ、準備ができた記事から順に公開しましょう。制作計画を立ててから記事を公開するまでの流れは、以下のとおりです。

  1. 優先順位の高いキーワードから、公開する記事の順番を決める
  2. 外部に頼む分も含めて、体制で無理なく作れる月あたりの本数を決める
  3. 構成案・執筆・確認・公開の各工程の担当者と締め切りを決める
  4. Googleの計測ツール(Search ConsoleとGoogle アナリティクス)を設定する
  5. 公開前に誤字・事実の誤り・スマートフォンでの表示・問い合わせフォームの送信を確認する

Google アナリティクスは設定をする前のデータを集められないため、最初の記事を公開する前に設定を済ませておくと、公開した日からの数字が残ります。問い合わせの件数は、問い合わせの完了を成果につながる行動(キーイベント)として設定しておかないと、成果として数えられません。

運営会社と記事の書き手の情報を載せたページも、公開前に用意しておくと、読者が記事の信頼性を判断しやすくなります。公開した記事をSNSやメールマガジン、営業資料でも紹介すると、検索以外の経路からも読まれるきっかけになります。

記事の文字数を目標にする必要はありません。検索順位を上げるための決まった文字数は存在しないため、読者の疑問に答えきれているかを基準に記事の長さを決めてください。

» SEO記事の書き方は検索意図が起点|キーワード選定からリライトまでの6手順

公開後に効果を測定して記事を改善する

記事を公開したら、Search ConsoleとGoogle アナリティクスで数字を確認し、記事の追加と見直しを続けましょう。2つのツールで主にわかることは、以下の表のとおりです。

ツール 主にわかること
Search Console 検索結果でのクリック数・インプレッション数・クリック率・平均掲載順位、表示されたときの検索語句
Google アナリティクス サイト内で読まれたページ、読者の流入元、問い合わせの完了などのキーイベントの数

新しいサイトで外部からのリンクが少ない場合は、サイト内の記事の一覧を伝えるサイトマップをSearch Consoleから送信してください。サイトマップを自動で作るCMSなら、手作業で作る手間はかかりません。送信する場所は、Search Consoleの「サイトマップ」の画面にある「新しいサイトマップの追加」の欄です。

Google Search Console の「サイトマップ」の画面にある「新しいサイトマップの追加」の欄。サイトの URL の後ろの入力欄にサイトマップの URL を入れて「送信」を押す

出典:Google Search Console の「サイトマップ」の画面(株式会社メリルが運営する WWS のサイト(https://wwstd.jp/)のプロパティ。2026年10月30日の画面)。Google および Google Search Console は Google LLC の商標です。Web集客ブックは、Google が推奨・提携しているものではありません。

記事の見直しでは、インプレッション数は多いのにクリック率が低い記事はタイトルに、検索順位が伸びない記事は内容に直す余地があります。変更が検索結果に反映されるまでには時間がかかるため、手を入れた記事の数字は数週間たってから比べると、変更の効果を判断しやすくなります。

オウンドメディアを続けるための計画とかかる費用

オウンドメディアを続けるための計画と費用。成果が出るまでの計画は、毎月の記事の本数、中間指標(KPI)、続けるか判断する時期と基準。費用の内訳は、サイトを用意する費用と記事を作り続ける費用

オウンドメディアの立ち上げを社内で通すには、成果が出るまで運営を続ける計画と、かかる費用の見通しを示す必要があります。計画も費用も、記事がそろって検索から読まれるまでに時間がかかることが前提です。

成果が出るまで続けられる計画と中間指標の決め方

成果が出るまでの計画は、問い合わせが増える時期を約束するのではなく、毎月公開する記事の本数と途中の進み具合を測る中間指標(KPI)を決めて立てましょう。記事や設定の変更が検索結果に反映されるまでには数時間から数か月かかり、手を入れても必ず目に見える変化が出るとは限りません。

メリルでは、検索からの集客は数百本の記事がある前提で進めるため、記事がそろうまでに時間がかかると考えています。月に10本のペースでも、1年で120本、2年で240本です。数百本を社内だけで作るのは難しいため、足りない分は外部に頼んで補うという考えです。

Web集客ブックを運営する株式会社メリルの代表(なかじ)は、業界での長い経験の中で、毎月のアクセス数や問い合わせ数を予測したシミュレーションのとおりに進んだ例を1度も見たことがないと話しています。

経営層や関係部署に計画と中間指標を先に共有しておくと、数字が伸びない時期に運営が打ち切られるのを防げます。社内で「いつ問い合わせが増えるのか」と聞かれたら、増える時期ではなく毎月の記事の本数と、運営を続けるかどうかを判断する時期と基準を示してください。

立ち上げと運用にかかる費用の内訳

オウンドメディアの費用は、サイトを用意する費用と、記事を作り続ける費用に分かれます。主な費用の項目は、以下の表のとおりです。

費用の項目 内容 補足
ドメイン 新しいドメインの取得と毎年の更新 会社のドメインを使うサブディレクトリやサブドメインなら新たな取得は不要
サーバー CMSとデータを置く場所の利用料 会社のサイトのサーバーを使える場合もある
CMS 記事を作って管理する仕組み WordPress本体は無料で、テーマやクラウド型CMSには利用料がかかるものもある
計測ツール 検索での表示やサイト内の行動の測定 Search ConsoleとGoogle アナリティクスは無料
記事の制作 企画・執筆・編集・画像の用意 社内で作るなら担当者の人件費、外部に頼むなら制作費
サイトの構築 デザインと開発 外部に頼む場合は制作費がかかる

立ち上げた後も記事を作る人の時間は毎月かかるため、社内で作る場合も担当者の作業時間を費用として見積もっておくと、外部に頼む場合と比べやすくなります。検索結果に記事が表示されること自体は無料で、Googleに広告を出しても通常の検索結果での順位は上がりません。

Web集客ブックを運営する株式会社メリルのYouTubeチャンネル『ウェブ職TV』では、介護の商品を作る会社にオウンドメディアを提案した実例と、立ち上げにかかる費用の考え方を動画で解説しています。

メリルでは、オウンドメディアの費用は規模によって大きく変わり、全体の設計から記事の制作までを含めると少なくとも数十万円では作れないと考えています。広告のように少額から少しずつ始めると、ある程度の規模のメディアになるまでに5年ほどかかるので、最初にまとめて作るしかないという考えです。

オウンドメディアの立ち上げで失敗しやすい原因と対策

オウンドメディアの立ち上げで失敗しやすい4つの原因。目的と評価を決めずに始める、成果が出る前に更新が止まる、本数を優先して内容が薄くなる、記事を見直さずに放置する

立ち上げたオウンドメディアが成果を出せない原因は、公開前の準備と公開後の運用の両方にあります。失敗しやすい主な原因は、以下の4つです。

  • 目的と評価のしかたを決めないまま始める
  • 成果が出る前に更新が止まる
  • 記事の本数を優先して内容が薄くなる
  • 公開した記事を見直さずに放置する

目的と評価のしかたを決めないまま始める

目的と評価のしかたを決めないまま始めると、記事のテーマ選びや公開の判断に使う基準がなく、社内で運営を続ける根拠も示せません。メリルでは「メディアをやった方がいいと聞いたから」という理由だけで始め、業者に任せきりにしてうまくいかなかった法人を多く見てきました。

対策は、サイトを作る前にメディアの目的を1つに絞り、KGI・KPIと評価の時期を決めておくことです。目的と指標を1枚の資料にまとめて関係者と共有すると、担当者が替わっても方針がぶれにくくなります。

成果が出る前に更新が止まる

立ち上げ直後は記事を出しても数字が伸びにくく、担当者が通常業務と兼務していると、記事づくりは後回しになりがちです。原稿を確認する人が多い場合も、1本の記事に時間がかかって更新が止まります。

メリルでは、外部の会社に制作を頼む場合でも、少なくとも1人は専任の担当者を社内に置くのがよいと考えています。本業の合間に担当を割り当てただけでは、本業が忙しくなったときに更新が止まり、半年〜2年放置されるメディアも多いためです。

対策は、専任の担当者を決めたうえで、外部に頼む分も含めて体制で無理なく作れる本数を月ごとの目標にすることです。原稿を確認する人も必要な範囲に絞ると、1本の記事を公開するまでの時間が短くなります。

記事の本数を優先して内容が薄くなる

検索からの集客には記事の数も必要です。しかし、本数を増やすことだけを目標にすると他のサイトの内容をなぞっただけの記事が増え、読者の役に立たないメディアになります。生成AIで価値を付け加えないまま大量のページを作ると、Google 検索のスパムに関するポリシーに違反する可能性もあります。

対策は、本数の目標より先に、記事の品質の基準を決めることです。公開前に確認したい品質の基準は、以下のとおりです。

  • 読者の疑問に答えきれている
  • 自社の事例やデータなど、他のサイトにない情報が入っている
  • 記事の中の事実を一次情報で確認している

品質の基準は制作ルールにも書き込み、記事の公開を判断する人が公開前に照らし合わせてください。

公開した記事を見直さずに放置する

記事は公開した時点で完成するものではなく、情報の新しさや検索での表示のされ方に合わせて手を入れ続けるものです。法律や料金、ツールの画面は変わるため、古い情報が残った記事は読者の信頼を損ないます。

対策は、決まった間隔でSearch Consoleの数字を確認し、見直す記事を選ぶ作業を運用の予定に組み込むことです。古くなった記事は内容を書き直し、役目を終えた記事は削除しましょう。内容をほとんど変えずに日付だけを新しくする更新は、読者の役に立たないため避けてください。

オウンドメディアを社内だけで運営するか外部に任せるかの判断

オウンドメディアを外部に任せても社内に残したい4つの役割。目的とKGI・KPIを決める、テーマとキーワードの最終判断、社内にしかない情報を提供する、公開するかを最終確認する

社内だけで運営するか外部に任せるかの判断の基準は、記事を作り続ける人手と、検索からの集客を計画できる知識が社内にあるかどうかです。

メリルでは、社内で人手を用意できないなら外部の会社に任せればよいとしたうえで、任せきりにする「丸投げ」はうまくいかないと考えています。自社が商品と顧客を一番よく知っているため、記事の制作を任せても、内容や情報が正しいかの確認は自社で行うという考えです。

Web集客ブックを運営する株式会社メリルのYouTubeチャンネル『ウェブ職TV』では、法人のオウンドメディアを成功させるための目的の決め方や人手の確保、外部への任せ方を動画で解説しています。

どの工程を任せるにしても、社内に残したい役割は以下のとおりです。

  • メディアの目的とKGI・KPIを決める
  • 扱うテーマと優先するキーワードを最終判断する
  • 自社の事例やデータなど、社内にしかない情報を提供する
  • 記事を公開するかどうかを最終確認する

サイトの構築や記事の執筆・編集、数字の集計は、外部に任せやすい工程にあたります。外部に任せる場合も、担当者が検索エンジン最適化(SEO)の基本を知っておくと、推奨されない手法を使った提案に気づけます。

外部のSEOの専門家に頼むなら、サイトを作る前の計画の段階から相談しましょう。計画の段階から関わってもらうと、最初から検索エンジンとの相性を考えてサイトを設計できます。

» オウンドメディアの外注は丸投げしない!任せる範囲の決め方と料金の実例3社

オウンドメディアの立ち上げは目的と体制を決めてからサイトづくりに進めましょう

オウンドメディアの立ち上げで押さえたい5つの要点。目的と体制を先に決める、キーワードでサイト構成を作る、無理なく続けられる本数で公開、KPIで進み具合を測る、数字を確認して記事を見直す

オウンドメディアの立ち上げは、サイトを作る作業より先に目的と成果の測り方、記事を作り続ける体制を決める作業から始まります。立ち上げで押さえておきたい要点は、以下のとおりです。

  • サイトを作る前に、目的とKGI・KPI、記事を作り続ける体制、ターゲット、コンセプトを決める
  • キーワードからサイトの構成を設計し、メディアの置き場所とCMSを選ぶ
  • 体制で無理なく続けられる本数で記事を公開する
  • 成果が出るまでは、公開した記事の本数やインプレッション数などの中間指標(KPI)で進み具合を測る
  • 公開後はSearch ConsoleとGoogle アナリティクスで数字を確認し、記事を見直す

9つの手順を順に進めれば、公開後に「何のためのメディアか」で迷う場面を減らせます。まずは社内で、メディアの目的と成果の測り方、記事を作る担当者を1枚の資料にまとめるところから始めましょう。

参考にしたページ