インタビュー記事の書き方7つの手順|聞いた順ではなく読者が知りたい順に書く

社員インタビューや導入事例の文字起こしを読み返すと、話題が行き来していて、記事の組み立て方が決まらないことがあります。取材で聞いた発言を話の出た順に並べるだけでは、読者は取材相手の魅力や記事の要点をつかめません。原稿の書きやすさと読みやすさは、書く前の準備と構成で変わります。

この記事では、インタビュー記事の書き方を取材の準備から公開前の確認まで、例文を交えてまとめました。記事を読めば、初めての方でも取材相手の言葉が伝わる原稿を書けます。要点は、取材の前に「誰に何を伝える記事か」を決め、目的に沿って発言を選んで並べ替えることです。

目次
  1. インタビュー記事の書き方は7つの手順で進める
  2. インタビュー記事の目的と形式の決め方
    1. 記事の目的と読者を決める
    2. 一問一答形式(Q&A形式)は質問と回答を交互に並べる
    3. 一人称形式(モノローグ形式)は取材相手の語りでまとめる
    4. 三人称形式(ルポ形式)は書き手の視点でまとめる
    5. 目的と読者に合う形式を選ぶ
  3. 取材相手から深い話を聞くための事前準備
    1. 取材相手の情報を調べる
    2. 取材で聞く質問リストを作る
    3. 取材を依頼して内容を共有する
  4. 取材当日に話を引き出す進め方
    1. 冒頭で取材の目的を伝えて録音の了承を得る
    2. 録音に任せて取材相手の話に集中する
    3. 「なぜ」「具体的には」で話を深掘りする
    4. 取材の最後に聞き漏らしを確かめる
  5. インタビュー記事の原稿の書き方
    1. 文字起こしをして使う発言を選ぶ
    2. 読者が知りたい順に構成を組み立てる
    3. リードに取材でわかった結論を書く
    4. 話し言葉を読みやすい文に整える
    5. 質問文と見出しで話の流れをつくる
  6. 公開前に原稿で確かめること
    1. 誤字と事実関係を自分で確かめる
    2. 取材相手に原稿を確認してもらう
    3. 写真と引用の扱いを確かめる
  7. インタビュー記事の書き方は目的と読者を決めることから始めましょう

インタビュー記事の書き方は7つの手順で進める

インタビュー記事の書き方の7つの手順。記事の目的と読者を決める、記事の形式を選ぶ、取材相手を調べて質問リストを作る、取材を依頼して内容を共有する、取材で話を聞いて録音する、文字起こしをもとに原稿を書く、取材相手の確認を受けて公開する

インタビュー記事では、取材相手から聞いた話を、読者に伝わる形にまとめます。お店やイベントを取材してまとめる取材記事も、基本の手順は変わりません。取材の準備から公開までの流れは、以下の7つの手順です。

  1. 記事の目的と読者を決める
  2. 記事の形式を選ぶ
  3. 取材相手を調べて質問リストを作る
  4. 取材を依頼して内容を共有する
  5. 取材で話を聞いて録音する
  6. 文字起こしをもとに原稿を書く
  7. 取材相手の確認を受けて公開する

7つの手順のうち、取材を始める前の手順1〜4は、記事の読みやすさを大きく左右します。

インタビュー記事の目的と形式の決め方

目的と読者に合う形式を選ぶための、インタビュー記事の3つの形式。一問一答形式は会話のやり取り、一人称形式は取材相手の語り、三人称形式は書き手の視点

取材の前に記事の目的と形式を決めておくと、質問の作り方や取材で集める情報がはっきりします。形式とは、取材相手の言葉を記事の中でどう見せるかの型のことです。決めておきたい目的と形式の要点を、以下に挙げます。

  • 記事の目的と読者を決める
  • 一問一答形式(Q&A形式)は質問と回答を交互に並べる
  • 一人称形式(モノローグ形式)は取材相手の語りでまとめる
  • 三人称形式(ルポ形式)は書き手の視点でまとめる
  • 目的と読者に合う形式を選ぶ

記事の目的と読者を決める

インタビュー記事を書く前に、誰に何を伝え、読んだ人にどう動いてほしいかを決めましょう。目的が決まると、聞くべき質問と載せるべき発言の判断基準ができるからです。記事の種類ごとの目的の例を、以下に示します。

  • 社員インタビュー:応募を考えている人に、入社後の働き方や職場の雰囲気を伝える
  • 導入事例:導入を検討している企業の担当者に、導入前の課題と導入後の変化を伝える
  • 経営者インタビュー:取引先や求職者に、会社の考え方と今後の方向性を伝える
  • 専門家インタビュー:テーマに関心のある読者に、専門的な知見をわかりやすく伝える

目的は、読者・伝える内容・読んだ人に起こしてほしい行動の3つを入れた1文にまとめましょう。社員インタビューの例は「応募を考えている人に入社1年目の仕事の進め方を伝え、会社説明会への申し込みにつなげる」です。

1文にまとめた目的を取材相手や社内の関係者と共有しておくと、取材の方向性がずれにくくなります。

一問一答形式(Q&A形式)は質問と回答を交互に並べる

一問一答形式では、聞き手の質問と取材相手の回答を交互に並べます。会話のやり取りが記事に残るので、取材相手の口調や人柄が読者に伝わる点が強みです。質問文が話題の見出し代わりになるため、読者は知りたい話を探すのに迷いません。社員インタビューや導入事例のように、会話の流れを見せたい記事に向いています。

回答が長く続くと要点がぼやけるため、1つの回答は1つの話題に絞って区切りましょう。取材相手が2人以上いる対談や座談会では、発言の前に名前を入れて、誰の発言かを示してください。

一人称形式(モノローグ形式)は取材相手の語りでまとめる

一人称形式では、聞き手の質問を省き、取材相手が一人で語る文章にまとめます。思いや経験を一続きの話として伝えられるので、読者は取材相手の考えを途中で見失いません。経営者のメッセージや創業の経緯など、一人の考えを深く伝えたい記事に向いています。

質問を省く分だけ話題の切り替わりがわかりにくくなるため、話題ごとに見出しを立てて区切りましょう。一人称形式の原稿は、取材相手が自分で書いた文章として読まれます。言い回しを本人の話し方に合わせ、違和感がないかを本人に見てもらってください。

三人称形式(ルポ形式)は書き手の視点でまとめる

三人称形式では、書き手の視点で取材の内容をまとめ、取材相手の発言をかぎかっこに入れて紹介します。取材相手の表情や現場の様子、業界の背景などを書き手の説明として補えるので、伝えられる情報が発言だけに限られません。プロジェクトの紹介や、工場・店舗などの現場を取材する記事に向いています。

書き手の考えと取材相手の発言が混ざると、読者はどこまでが本人の言葉かを判断できません。発言はかぎかっこで区別し、書き手の説明とは分けて書きましょう。

目的と読者に合う形式を選ぶ

形式は、記事の目的と読者に合わせて選びましょう。形式ごとに向いている記事と、1つの発言を3つの形式で書き分けた例は、以下の表のとおりです。

形式 向いている記事 書き方の例
一問一答形式 会話の流れを見せたい記事 ――入社して意外だったことは何ですか。
Aさん:お客様と話す時間の長さです。想像よりずっと長かったですね。
一人称形式 一人の考えを深く伝えたい記事 入社して意外だったのは、お客様と話す時間の長さです。想像よりずっと長いものでした。
三人称形式 現場の様子まで伝えたい記事 Aさんが入社して意外に感じたのは、お客様と話す時間の長さだった。「想像よりずっと長かったですね」と振り返る。

一問一答形式は文字起こしを整理しながら書き進められるので、慣れていない段階でも原稿を組み立てる負担が大きくありません。迷ったときは、一問一答形式から始めることをおすすめします。

取材相手から深い話を聞くための事前準備

取材前にしておく3つの準備。取材相手の情報を調べる、取材で聞く質問リストを作る、取材を依頼して内容を共有する

取材相手から深い話を聞けるかどうかは、取材前の準備に左右されます。準備が足りないと、調べればわかる質問に取材の時間を使いかねません。取材前にしておく準備は、以下の3つです。

  • 取材相手の情報を調べる
  • 取材で聞く質問リストを作る
  • 取材を依頼して内容を共有する

取材相手の情報を調べる

取材の前に、取材相手についてわかる範囲の情報を集めておきましょう。調べておきたい情報は、以下のとおりです。

  • 所属・役職・担当業務
  • 経歴や過去の実績
  • 過去のインタビュー記事や登壇の内容
  • 社内報やSNSでの発信
  • 会社やサービスの基本情報

社内の取材であれば、上司や同僚からも取材相手の仕事ぶりを聞けます。本人が自分からは話さないエピソードを、質問のきっかけにできるからです。調べた情報には古い内容が混ざっている場合もあるため、役職や数字は取材の場で本人に確かめてください。

取材で聞く質問リストを作る

質問リストは、記事の目的から逆算して作りましょう。読者が知りたいことを書き出すと、取材で聞くべき話題が見えてきます。社員インタビューの質問リストに入れる話題の例は、以下のとおりです。

  1. 今の担当業務と1日の流れ
  2. 入社を決めたきっかけ
  3. 仕事で印象に残っている出来事
  4. 壁にぶつかったときの乗り越え方
  5. 今後挑戦したいこと

質問の順番を決める基準は、取材相手の話しやすさです。今の仕事のように答えやすい話から入ると、当日の会話が自然につながります。記事の構成は取材のあとに読者が知りたい順で組み直すため、質問リストの順番に合わせる必要はありません。

経験や考えを聞く質問は「はい」「いいえ」で終わらない聞き方にしてください。「仕事は楽しいですか」ではなく「仕事が楽しいと感じるのはどんなときですか」と聞くと、具体的な場面が出てきやすいからです。必ず尋ねたい質問に印をつけておけば、取材の時間が足りなくなっても、記事の中心になる話を取りこぼしません。

取材を依頼して内容を共有する

取材の依頼では、取材相手が引き受けるかを判断できるように、取材の概要をまとめて伝えましょう。依頼の連絡に入れておきたい項目は、以下のとおりです。

  • 記事の目的と掲載先
  • 取材の日時と所要時間
  • 取材の場所(対面かオンラインか)
  • 主な質問
  • 録音・録画と撮影の有無
  • 原稿確認の流れと公開の予定時期

主な質問を事前に送っておくと、取材相手が話す内容や必要な資料を準備できます。社外の方を取材するときは、話してよい範囲や触れてほしくない話題も、依頼の段階で確かめておきましょう。公開前に原稿を確認できると伝えておけば、取材相手は発言が記事にどう載るかを気にしすぎずに話せます。

オンライン取材なら、Google Meet や Microsoft Teams の録画で、表情もあとから見直せます。ただし、2026年10月時点ではどちらのツールも、決まったプランやライセンスのアカウントでなければ録画できません。

社外の方が主催する会議では録画できないこともあるため、会議は自分たちで設定したほうが確実です。取材の前に録画と文字起こしを試し、保存したデータを開けるかまで見ておきます。

取材当日に話を引き出す進め方

取材当日の進め方の4つのポイント。冒頭で目的を伝えて録音の了承を得る、録音に任せて話に集中する、「なぜ」「具体的には」で深掘りする、最後に聞き漏らしを確かめる

取材当日は、準備した質問を順番に聞くことよりも、取材相手が話しやすい場をつくることを優先しましょう。緊張が解けないまま進めると、本人らしい言葉やエピソードが出てきにくくなります。取材当日の進め方のポイントは、以下の4つです。

  • 冒頭で取材の目的を伝えて録音の了承を得る
  • 録音に任せて取材相手の話に集中する
  • 「なぜ」「具体的には」で話を深掘りする
  • 取材の最後に聞き漏らしを確かめる

冒頭で取材の目的を伝えて録音の了承を得る

取材の冒頭では、本題に入る前に取材の目的と進め方を伝えましょう。取材相手が記事の完成形を思い描けると、何をどこまで話せばよいかを判断できます。冒頭の進め方は、以下の手順です。

  1. 挨拶と自己紹介をする
  2. 記事の目的と掲載先、終了予定の時刻を伝える
  3. 録音・録画と撮影の了承を得る
  4. 雑談で話しやすい雰囲気をつくる
  5. 本題の質問に入る

録音は、1台の機器が止まっても困らないように、複数の機器で行ってください。

録音に任せて取材相手の話に集中する

取材中は、メモを取ることよりも取材相手の話を聞くことに集中しましょう。メモに気を取られて目線が下がると、会話のテンポが落ちて話が広がりにくくなるからです。

録音があれば、メモは見出しに使えそうな言葉や、あとで深掘りしたい話題を短く書き留める程度で構いません。うなずきや相づちを返すと、取材相手は話を続けやすくなります。

話の流れに合わせて質問を入れ替え、聞けていない質問は終盤で拾いましょう。

「なぜ」「具体的には」で話を深掘りする

取材相手の答えが抽象的なときは、追加の質問で具体的な場面や理由を聞き出しましょう。答えが「大変でした」「やりがいがあります」で止まると、読者は取材相手の経験を思い描けません。深掘りに使える質問の例は、以下のとおりです。

  • 「なぜそう考えたのですか」
  • 「具体的にはどんな場面でしたか」
  • 「壁にぶつかったとき、どう行動しましたか」
  • 「以前と比べて、何が変わりましたか」
  • 「数字で表すと、どのくらいですか」

予定外の話から、記事の中心になるエピソードが見つかることもあります。記事の目的に関わりそうなら、深掘りしてみてください。

取材の最後に聞き漏らしを確かめる

取材の終わりには、質問リストを見返し、聞き漏らしがないかを確かめましょう。原稿を書き始めてから足りない情報に気づくと、取材相手に追加で連絡する手間が生じます。取材の最後に聞いておきたいことは、以下のとおりです。

  • 聞けていない質問
  • 氏名の表記や役職などのプロフィール
  • 記事に載せてよい数字や固有名詞
  • 原稿確認を依頼する時期と方法

最後に「言い残したことはありませんか」と聞くと、取材相手が伝えたかった話を拾えることがあります。取材のあとは早めにお礼の連絡を入れ、原稿確認のやり取りを円滑に進めましょう。

インタビュー記事の原稿の書き方

インタビュー記事の原稿を書く5つの手順とコツ。文字起こしから使う発言を選ぶ、読者が知りたい順に構成する、リードに結論を書く、話し言葉を読みやすく整える、質問文と見出しで話の流れをつくる

取材が終わったら、録音を文字に起こし、構成を決めてから原稿を書きます。原稿を書く手順とコツは、以下の5つです。

  • 文字起こしをして使う発言を選ぶ
  • 読者が知りたい順に構成を組み立てる
  • リードに取材でわかった結論を書く
  • 話し言葉を読みやすい文に整える
  • 質問文と見出しで話の流れをつくる

文字起こしをして使う発言を選ぶ

原稿を書く前に、録音した取材の内容を文字に起こします。2026年10月時点で、自動の文字起こしに使える機能の例は、以下のとおりです。

  • Google Meet:会議中に文字起こしをオンにすると、終了後に主催者の Google ドライブへ保存される
  • Microsoft Teams:会議中のライブ文字起こしで、発言を話者の名前付きで文字にできる
  • Microsoft 365 の Word:録音した音声ファイルを、話者ごとに分けて文字にできる(トランスクリプト機能。音声ファイルは1か月あたり300分まで)

自動の文字起こしには聞き間違いが混ざることがあるため、固有名詞や数字は録音を聞き直して確かめてください。

文字起こしができたら、記事の目的に関わる発言に印をつけていきましょう。1本の記事に話題を詰め込むと読者が要点をつかめなくなるため、目的から外れる話は面白くても入れない判断が必要です。印をつけた発言を話題ごとにまとめておくと、構成を組み立てる作業が速く進みます。

読者が知りたい順に構成を組み立てる

インタビュー記事の構成は、話を聞いた順番ではなく、読者が知りたい順番で組み立てましょう。取材中の会話は話題が行き来するので、聞いた順に並べると、読者が要点をつかみにくくなります。

記事の冒頭には、記事の目的に最も近い発言やエピソードを置くのが基本です。最初に記事の価値が伝わると、読者は背景や詳しい経緯まで読み進めてくれます。インタビュー記事の基本的な構成は、以下の表のとおりです。

構成の要素 役割と書き方
タイトル 記事の中身が具体的にわかる言葉や、取材相手の印象的な発言を入れる
リード 誰に何を聞いた記事なのかと、取材でわかった結論を短く伝える
プロフィール 取材相手の氏名・所属・役職・経歴をまとめ、発言の背景を示す
本文 話題ごとに見出しを立て、選んだ発言を形式に沿って並べる
締め 取材相手の今後の目標や読者へのメッセージで記事を終える

本文の話題も、取材で聞いた順番のまま並べる必要はありません。入社1年目の仕事の進め方がテーマなら、記事の中心になる「仕事で印象に残っている出来事」から本文を始めます。入社を決めたきっかけは、背景として後半に回しましょう。

リードに取材でわかった結論を書く

インタビュー記事のリードには、誰に何を聞いた記事かに加えて、取材でわかった結論を書きましょう。社員インタビューのリードに書く内容の例は、以下の表のとおりです。

リードに書く内容 例
誰に何を聞いた記事か 入社1年目のAさんに、お客様対応の仕事の進め方を聞きました
取材でわかった結論 想像より長いお客様と話す時間が、Aさんの1年目の仕事の中心になっています

Web集客ブックを運営する株式会社メリルでは、リードには必ず結論を書いています。結論のわからない記事は、読み進めてもらえないと考えているからです。リードで記事の内容を魅力的に書けないときは、本文を書く前に記事全体を見直すべきだとも考えています。

構成を決めた段階でリードを書けば、記事の中心に置く発言が弱いことに本文を書く前に気づけます。

以下は、メリルのYouTubeチャンネル『Webライタースクール「WWS」by ウェブ職TV』の動画です。Web記事のリードに書く6つの要素と順番を解説しています。

Web記事のリードと見出しの書き方は、以下の記事で詳しく解説しています。

» SEO記事の書き方は検索意図が起点|キーワード選定からリライトまでの6手順

話し言葉を読みやすい文に整える

文字起こしした発言は、意味を変えない範囲で読みやすい書き言葉に整えましょう。話し言葉には言い直しや重複が多く、話したとおりに載せると読者が要点を追いにくくなります。作業の中心は、つなぎ言葉の「えー」「あの」を削ることと、重複をまとめて語順を直すことです。話し言葉を書き言葉にした例を、以下の表にまとめました。

話したとおりの文字起こし 整えた原稿
えーと、最初はやっぱり、不安のほうが大きかったですね、正直。 正直に言うと、最初は不安のほうが大きかったです。
お客様に、あの、喜んでもらえたときに、あ、この仕事でよかったなって。 お客様に喜んでもらえたとき、この仕事でよかったと思いました。
できたんですよ、半年で。新しいチームが。 半年で新しいチームができました。

専門用語や社内の言葉が出てきたときは、発言のあとに丸かっこで短い説明を添えます。言葉を補ったり順番を入れ替えたりした箇所は、原稿確認で取材相手に見てもらうと、意図と違う表現が残りません。整えすぎると取材相手の人柄が消えてしまうため、本人らしい言い回しや語尾は読みやすさを損なわない範囲で残してください。

メリルでは、1文を60字以内に収めることと、同じ語尾を続けないことが読みやすい文章の条件です。書き言葉にした発言も、1文の長さと語尾の続き方を見直すと、読者がつまずく箇所を減らせます。

質問文と見出しで話の流れをつくる

質問文と見出しは、話の流れをつくる役割を持ちます。一問一答形式では、回答を受ける聞き手の言葉が「なるほど」だけだと、前の回答と次の回答のつながりが読者に伝わりません。

質問文は、直前の回答の要点を受けてから次の問いに進む形にしましょう。実際に聞いた言葉どおりでなくても、取材で聞いた内容の範囲なら書き直してかまいません。ただし、質問を変えても、回答の意味が変わらない範囲に限ります。質問文を直す前と直したあとの例は、以下の表のとおりです。

直す前 直したあと
――なるほど。入社前はどんな仕事を想像していましたか。 ――お客様と話す時間の長さに驚いたのですね。入社前はどんな仕事を想像していましたか。

見出しには、本文の発言の要点を短くまとめた言葉を使いましょう。メリルでは、読者の多くは記事を読み飛ばすと考えています。理想は、見出しだけで記事の重要なポイントがわかるようにすることです。

「入社のきっかけ」のように話題の名前だけを書いた見出しでは、読み飛ばす読者に発言の要点が伝わりません。「先輩の一言が入社の決め手」のように発言の結論まで入れると、見出しを追うだけで話の流れがつかめます。

見出しの付け方は、メリルの『Webライタースクール「WWS」by ウェブ職TV』の動画でも学べます。解説の中心は、結論や内容がわかる見出しの書き方です。

公開前に原稿で確かめること

インタビュー記事の公開前に確かめる3つのこと。誤字と事実を自分で確かめる、取材相手に原稿を確認してもらう、写真と引用の扱いを確かめる

原稿が書き上がったら、書き手と取材相手の両方で見直してから公開しましょう。公開前に確かめることは、以下の3つです。

  • 誤字と事実関係を自分で確かめる
  • 取材相手に原稿を確認してもらう
  • 写真と引用の扱いを確かめる

誤字と事実関係を自分で確かめる

取材相手に原稿を送る前に、書き手自身で誤字と事実関係を確かめましょう。誤りの多い原稿を送ると、取材相手に確認の手間をかけるうえ、書き手への信頼も損ないます。特に見直しておきたい項目は、以下のとおりです。

  • 取材相手の氏名・所属・役職の表記
  • 会社名・サービス名・商品名
  • 数字・日付・期間
  • 録音と照らし合わせた発言の意図
  • 専門用語の説明

数字や経歴は、録音だけでなく会社の資料とも照らし合わせます。誤字を見つけるには、原稿を声に出して読み直す方法が有効です。取材に同席していない人にも原稿を読んでもらい、初めて読む人がつまずく箇所がないかを確かめてください。

取材相手に原稿を確認してもらう

公開する前に、取材相手に原稿を確認してもらいます。事実の誤りや本人の意図と違う表現を公開前に直せるうえ、取材相手との信頼関係も保てるからです。原稿を送るときは、見てほしい点と返信の期限を日付で伝えてください。期限がないと返信が後回しになり、公開の予定が遅れやすいためです。

修正の依頼のうち、事実の誤りの訂正や表現の修正は、迷わず原稿に反映して構いません。記事の目的に関わる大きな変更を求められたときは、理由を聞いて、目的を損なわない書き方を取材相手と相談します。直した原稿をもう一度見てもらい、掲載の了承を得て完了です。

社外の方への取材では、取材相手の会社の広報担当者も原稿に目を通す場合があります。返信までの日数は、多めに見込んでおきましょう。

写真と引用の扱いを確かめる

取材相手の写真や、ほかの記事・書籍の文章を載せるときは、公開前に権利の扱いを確かめる必要があります。

人が写った写真には肖像権が関わります。肖像権は自分の肖像をみだりに他人に公開されない権利で、法律の条文ではなく判例によって確立されました。記事に入れる写真は取材相手に見てもらい、掲載の了承を得てから公開してください。

写真は、著作物(思想や感情を創作的に表現したもの)にあたる場合もあります。撮影を社外のカメラマンに頼んだときは、料金を支払っていても、写真の著作者は撮影した側です。写真の使い道は、撮影を頼む段階で契約に入れておかなければなりません。

取材相手から借りた写真も、撮影した人が権利を持っている場合があります。権利を持つ人が誰かを取材相手に確かめ、了承を得てから載せてください。

ほかの記事や書籍の文章を引用するときは、著作権法第32条(引用)と第48条(出所の明示)の条件を満たす必要があります。引用で守る主な条件は、以下のとおりです。

  • すでに公表されている著作物であること
  • 記事の内容に照らして引用する必然性があること
  • かぎかっこなどで引用部分が区別されていること
  • 記事の本文が主で、引用部分が従であること
  • 引用する分量が必要最小限であること
  • 題名や著作者名などの出所を明示すること

文化庁の「令和8年度著作権テキスト」にある「引用」(第32条第1項)の説明。公表された著作物であること、公正な慣行に合致すること、引用の目的上正当な範囲内であること、出所の明示が必要なことの4つの条件が並んでいる

出典:「令和8年度著作権テキスト」(文化庁)(https://www.bunka.go.jp/seisaku/chosakuken/seidokaisetsu/pdf/94436101_01.pdf)の「引用」(第32条第1項)の部分を加工して作成。加工(一部の切り取り)は株式会社メリルが行いました(2026年10月29日に取得)。

出所を書けば自由に引用できるわけではなく、引用の条件を満たさない場合は著作権者の了承を得なければなりません。

インタビュー記事の書き方は目的と読者を決めることから始めましょう

インタビュー記事の書き方の5つの要点。目的と読者を決めて形式を選ぶ、目的から逆算して質問を作る、話に集中して深掘りする、読者が知りたい順に構成する、公開前に取材相手の確認を受ける

質問と構成を目的に沿って組み立てるには、取材の前に記事の目的と読者を決めておくことが欠かせません。取材相手の話は聞いた順ではなく、読者が知りたい順に選んで整えると読みやすい原稿になります。インタビュー記事の書き方の要点は、以下のとおりです。

  • 記事の目的と読者を決めてから形式を選ぶ
  • 取材相手を調べ、目的から逆算して質問リストを作る
  • 取材は録音に任せて話に集中し、深掘りの質問で具体的な話を聞き出す
  • 原稿は読者が知りたい順に構成し、リードと見出しで結論を伝える
  • 公開前に事実関係を確かめ、取材相手の確認を受ける

まずは、次に書くインタビュー記事の目的と読者を、1文で書き出してみましょう。

参考にしたページ